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2010年10月06日

母に感謝

「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」   
                          石垣りん

それはながい間
私たち女のまえに
いつも置かれてあつたもの、

自分の力にかなう
ほどよい大きさの鍋や
お米がぷつぷつとふくらんで
光り出すに都合のいい釜や
劫初からうけつがれた火のほてりの前には
母や、祖母や、またその母たちがいつも居た。

その人たちは
どれほどの愛や誠実の分量を
これらの器物にそそぎ入れたことだろう、
ある時はそれが赤いにんじんだつたり
くろい昆布だつたり
たたきつぶされた魚だつたり

台所では
いつも正確に朝昼晩への用意がなされ
用意のまえにはいつも幾たりかの
あたたかい膝や手が並んでいた。

ああその並ぶべきいくたりかの人がなくて
どうして女がいそいそと炊事など
繰り返せたろう?
それはたゆみないいつくしみ
無意識なまでに日常化した奉仕の姿。

炊事が奇しくも分けられた
女の役目であつたのは
不幸なこととは思われない、
そのために知識や、世間での地位が
たちおくれたとしても
おそくはない
私たちの前にあるものは
鍋とお釜と、燃える火と

それらなつかしい器物の前で
お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、

それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象あって励むように。



石垣りん


社会全体がそれこそ「貨幣愛」によって縛られてしまった今、根本的な「何のため?」を問う人間賛歌

心豊かに、身近なところから見つめてみよう・・・・・・。

この詩に感謝



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Posted by umedajidohsha at 09:24│Comments(2)
この記事へのコメント
石垣りんさんは、とても強い女性だったそうですね。そんないろいろな話が出てくる中、何も知らなかった私は、「石垣りんは本名ですかねー?」と、こんな質問しかできませんでした。強い女のイメージに合った名前ですからねぇ。
貨幣でなんとかなる時代、お昼は近くのホカ弁を買いに行ったり、お惣菜を買うこともよくあります。
できる女も「食べること」だけは欠かせないものなので、この詩に表現されたのでしょうね。
Posted by りえちゃんりえちゃん at 2010年10月06日 09:47
りえちゃんさん、どうも!(笑)

男性には無いのでは?と思われるような、底知れない強さを感じました。
Posted by umeda jidohshaumeda jidohsha at 2010年10月06日 09:52
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